【ゼニア定番の人気生地】エレクタ!生地の特徴や人気の売れ筋商品を紹介!
- ゼニアのエレクタって古くからある生地でしょ?今の時代に合ってるの??
- ゼニアのエレクタが人気の理由や特徴を知りたい!
- 最新のゼニアエレクタってどんな感じ?値段や特徴が気になる!
ゼニアで秋冬物のオーダースーツを仕立てようと考えたとき、定番で大人気のゼニアエレクタをオススメされる機会は多いと思います。
ゼニアの生地として1929年に登場して以来、今も人気生地として愛されているエレクタですが、昔からある古い生地だと聞いて不安を感じてしまう方も居るのではないでしょうか?
この記事ではゼニアのELECTA(エレクタ)の魅力や、ゼニアが誇る生地の中でも最高傑作の1つに数えられる理由や特徴について詳しく解説しています。
結論から言うと、ゼニアのエレクタは1929年生まれという古株の生地にも関わらず、他の生地とは異なり”発売当時から製法や技術が変わっていない”点が大きな特徴です。
古いのに手が加えられていない、これは言い換えれば【変える必要が無い完成度を誇る生地】だということ。
ゼニアエレクタが持つ魅力を余すことなく紹介しつつ、現役ショップ店員が選ぶ2022年最新の人気生地なども紹介します。
秋冬スーツをゼニアで仕立てようと検討している方は、購入前の参考に役立てて下さい!
ゼニアのほかの生地をチェックしたい方は「ゼニアの生地一覧」も参考にしてみてください。
ゼニアを世界的ブランドに押し上げたのがエレクタ!
高級スーツブランドとして名高いゼニアは、創業したのは1910年で100年以上の歴史を誇っています。
創業当初はイタリア国内のみで販売をしていたゼニアですが、1928年以降は海外市場へと進出して世界的スーツブランドとして成長してきました。
ゼニアの海外進出が1928年、今回紹介する生地「エレクタ」が登場したのが1929年です。
冒頭でも紹介しましたが、ゼニアが世界に認知されるきっかけの1つにエレクタという生地の存在が大きかったことは言うまでもありません。
歴史が古く、しかも現代に至るまで”ほとんど手が加えられていない”エレクタは、ゼニアが誇る数々の生地でも特別な存在感を誇っています。
ゼニアエレクタの特徴や製法を知れば、その完成度の高さとゼニアがエレクタという生地に対していかに自信を持っているかを窺い知ることが出来ます。
ゼニアエレクタはスミズーラ専用生地!
ゼニアにとって、エレクタという生地がいかに特別な存在であるかを示す理由として
- 発売当初から現在に至るまでエレクタは※スミズーラ専用生地として扱われている
- 他の生地がリニューアルを繰り返している中、ほとんど手が加えられていない
上記の2点を挙げることができます。
例えばエレクタと同じく秋冬用の生地として人気がある「トロフェオ」や「トラベラー」などは、リニューアルを経て時代や流行に合わせた生地として見直されたり、改良を加えられたりしています。
その一方でエレクタは1929年の登場から現在に至るまで、大きな変化やリニューアルはせずに第一線の人気生地としての地位を守り続けているのです。
エレクタは時代や流行に合わせる必要が無い程に完成された生地だというゼニアの自信と信頼が伺えますよね。
※スミズーラ(Su Mizura)について
スミズーラとは、簡単に言えば「オーダーメイドスーツ」の事です。
イタリア語で「あなたのサイズに合わせて」の意味を持つスミズーラとは、ゼニア独自のパターンで世界にただ一つの顧客専用スーツを仕立てる際に使用される言葉です。
ゼニアエレクタは【スミズーラ専用生地】です。
既製品には絶対にエレクタを使わない!という姿勢は、ゼニアがエレクタという生地をいかに大切に扱っているかが伝わってきます。
ゼニアでオーダーメイドスーツを仕立てる時のみ手にすることが出来るエレクタとは、どのような特徴を持つ生地なのかを詳しく見ていきましょう。
ゼニアのエレクタ!生地の特徴について
既製品のスーツには使用されず、あくまでもオーダーメイド専用の生地として長年愛されているゼニアのエレクタ。
ゼニアの看板生地と言っても過言では無いエレクタとは、一体どのような生地なのでしょうか。
ゼニアエレクタは最高級のウールを使用
ゼニアが扱う生地の多くが、オーストラリア産のスーパーファインメリノウールを使用している事はご存知の方も多いと思います。
しかし、ウール(羊毛)について何がどのように違うのかを理解してスーツを選んでいる人は意外に少ないです。
ウールを大まかに分類すると
- メリノ種(オーストラリアやニュージーランドが主な生産地)
- クロスブレッド種(イギリスなどが主な生産地)
- それ以外の様々な地域で生産されている羊毛
上記のように分類することができます。
中でもメリノ種から取れる羊毛は毛が繊細で細く、衣料品への加工に適した高級羊毛として有名です。
そんなメリノウール(メリノ種から生産される羊毛)ですが、繊維の細さでさらに細かくランク分けされています。
繊維の平均直径が19.5ミクロン以下の羊毛は、スーパーメリノウールと呼ばれ高級品質の証として認知されています。
エレクタの場合、平均直径が18ミクロン以下の繊維だけを使用して作られており、この基準は1929年の登場以降ずっと守られ続けているのです。
ゼニアエレクタは生地の織り方に大きな特徴がある
生地の織り方で、実際の仕上がりや見え方には大きな違いが生じます。
生地の代表的な織り方には「平織り」と「綾織り」の2種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
〇平織りの特徴
平織りは、縦糸と横糸が交互に折り重なるように織られる手法です。
基本的な生地の織り方ですが
- 生地が丈夫に仕上がる
- 摩擦に強い
- 通気性が高くなる
このような特性を持った生地に仕上がります。
〇綾織りの特徴
綾織りは、あえて織り目が斜めになるようにして生地に仕上げる手法で
- 左右非対称の独特な模様が出来る
- 光沢感のある生地に仕上がる
- 美しい反面、平織りに比べると摩擦には弱い
このような特性を持ちます。
ゼニアのエレクタはどのような織り方かと言うと、実は上記のどちらでもありません。
ゼニアのエレクタは”混合織”という手法で作られています。
混合織とはその名の通り、平織りと綾織りを混ぜ合わせて織り込まれた手法。
混合織で仕立てられた生地は
- 平織りが持つ丈夫な特性
- 綾織りが持つ美しい質感
異なる織り方が持つ特性を併せ持つ、非常に優れた特性を持つのです。
実際に混合織がどのように見えるのかを画像で見て頂きましょう。
上記2つの画像は、ゼニアエレクタの混合織が判るようにアップで撮影したものです。
しっかりとした縫い目の平織りと美しい綾織りが、コントラストを演出しているのがお判り頂けるはずです。
美しさと丈夫さを兼ね備えたゼニアのエレクタ。
このクオリティの生地が1929年から存在していた事には驚かされますよね。
逆に言えば素材と織り方に拘り抜いた生地だからこそ、時代が変わっても大きな変化を必要としなかったのです。
ゼニアのエレクタを選ぶ際の注意点
ゼニアの看板生地として人気のエレクタですが、ここまでお伝えしてきた通り「古くから変わらない生地」なので、時代の流れにマッチしていない点もあります。
エレクタは他の生地と比べると若干の重量感がある
いわば、エレクタ唯一の弱点とも言えるのが「重量感」の問題です。
時代の変化と共に、スーツはより軽く快適に着れる機能性が求められるようになってきました。
例えばリニューアルを果たしたトロフェオを例に挙げると、エレクタで使われる原毛よりもさらに2ミクロン細い16ミクロンの羊毛を用いて生地が作られています。
たった2ミクロンの差ですが、目付の重量に換算すると100グラム程度の違いとなって表れてしまいます。
つまりゼニアのエレクタで仕上げたスーツは、その仕上がりが他の生地と比較すると若干重くなってしまうので仕立てる際には念頭に入れておきましょう。
エレクタの生地が重い理由
エレクタが他の生地よりも重い理由は、平織りと綾織りを混合して織り込まれた特殊な製法に原因があります。
本来、混合織とは織り方の異なる生地を合わせるため、安定感がなく型崩れしやすいという難しい織り方です。
混合織で美しさと生地の丈夫さを両立させるには、ある程度の糸の太さが必要になります。
つまり、エレクタがその美しさと丈夫さを両立させるためには重さという概念が犠牲になってしまうのです。
言い換えれば、重さという概念を無視してでもエレクタ独自のハリと美しさは損ないたくない!
そんなゼニアの強いこだわりが、時代に流されずに同じ手法でエレクタを作り続けさせたのではないでしょうか。
とはいえ、どうせスーツを仕立てるなら軽い方がいい!という方も多いはず。
軽くて、しかもエレクタが良い!という欲張りなあなたには”エレクタミルド”がおすすめです。
エレクタミルドとは
発売当初からほとんど手が加えられなかった”エレクタが、スーツの軽量化という時代の流れに合わせて2014年に若干のリニューアルを果たした新しい生地をリリースしています。
生地全体を目詰めして表面を毛羽立たせるミルド加工という手法を取り入れ、若干の軽量化に成功したエレクタこそが”エレクタミルド”という生地です。
ミルド加工により、表面が軽く毛羽立たせてあるので温かみのある風合いの生地で人気となっていますよ。
ショップ店員が選ぶ!ゼニアのセレクタ売れ筋商品3選!
高級感のある上品な生地で秋冬スーツの定番として高い人気のあるゼニアのエレクタ。
実際の売上実績とお客様の声を参考に、選りすぐりのオススメ商品を3種類紹介しますので生地選びに役立ててみて下さい。
ゼニアエレクタおすすめ①チョークストライプ チャコール
生地No:2390-2152
クラシカルな風合いの人気が高まったこともあり、チョークストライプは非常に人気が高い商品となっています。
中でも、ダントツで人気が集まったチャコールグレーがオススメです。
エレクタならではの艶感と、その着心地の柔らかさは一度袖を通すと虜になってしまうお客様が続出しています。
お仕立ての価格は税込110,000円となっています。
1929年の登場から一切ブレることなく不動の人気を獲得し続けてきた生地の一つです。
重厚感があって懐かしさが逆に目新しいスーツを仕立てるなら一度は候補に入れてほしい商品ですね!
ゼニアエレクタおすすめ②ブルー バーズアイ
生地No:2390-2242
バーズアイは和名で「鳥目織り」とも呼ばれ、小さなドットが鳥の目に見える柄が特徴です。
清涼感のある青とオシャレな柄は、ゼニア初心者から上級者まで幅広い層に安定して人気のある生地となっています。
特にオーダースーツが初めてという方で無地は味気なさすぎるけど、いきなりストライプや個性的な柄は敷居が高い・・という方にオススメ!
お仕立ての価格は税込110,000円となっています。
無地のように見えて、光の加減で独特の光沢が出るのでゼニア初心者からオーダースーツ熟練者までを満足させる一着を仕立てることが出来る生地ですよ。
ゼニアエレクタオススメ③グレー グレンチェック
生地No:2390-3771
グレンチェックはイギリスの貴族や王族を彷彿とさせるような伝統ある柄で、グレーベースで飽きのこない色合いは様々なシーンで活躍するスーツを仕立てることが出来ます。
画像イメージを見ても判る通り、まさに英国紳士を彷彿とさせる気品と遊び心が同居したスーツを仕立てることが出来る生地として人気となっています。
お仕立ての価格は税込110,000円となっています。
ベストと合わせたラフな着こなしとも相性が良く、ビジネスシーンのみならず活躍してくれるスーツとしても高い人気を誇る商品です。
上記で紹介していない色味や柄が気になる方は、ゼニア仮縫付フルオーダー専門店「GINZA SAKAEYA」のホームページでチェックしてみてください。
ゼニアのエレクタまとめ
ゼニアのエレクタは、数ある生地の中でも歴史が長くゼニアを代表するオーダーメイド専用の生地として人気です。
1929年に登場して以来、ほとんど手が加えられなかったエレクタは高い完成度とゼニアが自信と誇りをかけた看板生地であることを雄弁に語っています。
上質なウールを使い、混合織という難しい技法で織られたエレクタは、クラシカルで美しい柄が多くハリや丈夫さにも定評がある初心者から上級者までに愛される生地です。
- 大きな特徴は混合織(平織りと綾織りの入り混じった生地)
- 艶とハリに優れ、丈夫でしっかりとした作りのスーツを仕立てるのに最適
- 唯一の欠点は重さだが、軽量化に対応したエレクタミルドという生地もある
クラシックな柄や色合いのスーツが注目されている昨今、ゼニアを代表するエレクタでスーツを仕立てたいという方がとても増えています。
しっかりと丈夫な生地なので、長く大事に着れるスーツを仕立てたいという方にもピッタリな生地となっています。
オーダースーツを初めて仕立てるという方にも自信を持ってオススメできますので、秋冬物の生地選びにお悩みの方はエレクタを検討してみてはいかがでしょうか?